
エアコンって何℃が適切?冷房・暖房それぞれの快適な使い方や電気代の節約術とは!
「エアコンの設定温度、何度にしたらいいんだろう?」「電気代が気になるけど、快適に過ごしたい…」そんな悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。
特に賃貸物件にお住まいの方は、建物の構造や階数、築年数によってエアコンの効きが変わってくるため、設定温度の調整に苦労することもありますよね。夏は冷房をガンガンかけても涼しくならない、冬は暖房をつけても足元が冷える…そんな経験をされた方も少なくないはずです。
実は、エアコンの適切な設定温度は季節によって異なり、また建物の性能や環境によっても快適に感じる温度は変わってきます。この記事では、エアコンの適切な設定温度について、夏と冬それぞれの目安や、快適に過ごすためのポイント、さらには電気代を節約するコツまで詳しく解説していきます。
目次
- エアコンの温度は何℃が最適?
- エアコンの温度と部屋の温度は違う
- エアコン設定が適温でも暑い・寒いと感じるのはなぜ?
- エアコンの設定温度の変更が電気代節約につながる
- まとめ:快適な賃貸生活は物件選びから
1. エアコンの温度は何℃が最適?
エアコンの設定温度について「何度が正解なの?」と迷われる方も多いでしょう。実は、季節によって推奨される設定温度は異なります。ここでは、夏と冬それぞれの適切な温度設定について詳しく見ていきましょう。
夏のエアコンは26〜28度が目安
夏場の冷房設定について、環境省が公開している「適切な室温管理について」や「家庭部門のCO2排出実態統計調査」といったページでは、28度を目安に挙げられています。
参考:環境省「適切な室温管理について」
//www.env.go.jp/earth/ondanka/cool_biz/
この28度という数値は、省エネルギーの観点から推奨されている温度なんですね。地球温暖化対策の一環として、過度な冷房を避け、環境に配慮した生活を送ることが求められているわけです。
ただし、ここで注意したいのは、28度でも快適だと感じにくいケースがあるということです。例えば、湿度が高い梅雨時期や、西日が強く当たる部屋、最上階や角部屋など外気の影響を受けやすい環境では、28度設定では暑く感じることがあります。また、断熱性能が低い築古物件や、在宅ワークなどで長時間同じ部屋にいる場合も、28度では厳しいかもしれません。
実際、28度設定で不快感を覚える場合には、無理に我慢せず26〜27度程度まで温度を下げて調整することをおすすめします。熱中症のリスクもありますし、快適性を損なってまで省エネにこだわる必要はありません。大切なのは、自分が快適に過ごせる温度を見つけることなんです。
それに、扇風機やサーキュレーターを併用することで、設定温度を上げても涼しく感じられることがあります。冷気を部屋全体に循環させることで、体感温度を下げる効果が期待できるんですよ。
冬のエアコンは20〜22度が目安
冬場の暖房設定については、20〜22度が目安とされています。環境省の国内全体の統計情報によると、実際に20度前後で設定している家庭は全体の40%程度を占めているそうです。
夏場の冷房と比べて、冬場は比較的低めの設定温度で過ごしている方が多い傾向にあります。これには理由があって、冬は比較的長時間エアコンをつけがちなので、電気代を気にして省エネを心がける人が多いんですね。暖房の場合、設定温度を1度下げるだけでも電気代の節約効果は大きく、長時間使用することを考えると、年間を通じてかなりの節約につながります。
ただし、冬場も無理に我慢する必要はありません。特に高齢者や小さなお子様がいるご家庭、在宅ワークで一日中家にいる場合、木造の一戸建てや断熱性能が低い物件、北向きの部屋や日当たりの悪い環境、そして1階など冷気が溜まりやすい低層階では、温度を上げることを検討した方がいいでしょう。
また、暖房の場合は設定温度だけでなく、湿度管理も重要です。加湿器を併用することで、同じ温度でも体感温度を上げることができます。乾燥対策にもなるので、一石二鳥ですね。
2. エアコンの温度と部屋の温度は違う
「エアコンを28度に設定したのに、部屋が全然涼しくならない!」という経験はありませんか?実は、エアコンの設定温度と実際の部屋の温度には差があるんです。
エアコンの設定温度というのは、エアコン本体から吹き出す風の温度を指しています。つまり、部屋全体の温度とは異なるんですね。一般的に、室内の温度とエアコンの設定温度にはおよそ1〜2℃の差が生じると言われています。夏場の冷房なら実際の室温は設定温度より少し高く、冬場の暖房なら実際の室温は設定温度より少し低くなる傾向があります。
例えば、冷房を28度に設定しても実際の室温は29〜30度程度になっていることがありますし、暖房を20度に設定しても実際の室温は18〜19度程度ということもあるわけです。これには、部屋の広さや天井の高さ、エアコンの性能、設置位置など、さまざまな要因が関係しています。
特に注意したいのが冬場の暖房使用時です。暖かい空気は上昇する性質があるため、天井付近に暖かい空気が溜まり、足元が冷えやすくなります。エアコンが壁の上部に設置されていることが多いため、センサーで感知する温度と床付近の温度には大きな差が生じることがあるんです。その結果、「エアコンは稼働しているのに足元が寒い」という状況が起こってしまいます。
この問題を解決するには、サーキュレーターで空気を循環させたり、エアコンの風向きを下向きに設定したり、足元にホットカーペットを併用したり、あるいは暖房の設定温度を少し高めにするといった対策が効果的です。
エアコンは実際の部屋の温度を考慮した設定温度にするのが理想です。そのためには、室温計を使って実際の温度を確認することをおすすめします。最近では、スマホアプリと連携できる温湿度計も安価で手に入ります。部屋の複数箇所に設置して温度ムラをチェックすれば、より快適な環境づくりに役立ちますよ。
賃貸物件を選ぶ際にも、エアコンの設置位置や部屋の形状は重要なポイントです。内見の際には、エアコンの位置や風向き、部屋全体への空気の流れなども確認しておくと良いでしょう。
3. エアコン設定が適温でも暑い・寒いと感じるのはなぜ?
「推奨温度に設定しているのに、なぜか快適じゃない…」そんな経験はありませんか?実は、体感温度は設定温度だけでは決まらないんです。ここでは、快適さを左右する要因について詳しく見ていきましょう。

湿度の影響が大きい
快適さを決める最も大きな要因の一つが湿度です。人が快適に過ごせる湿度は50%前後と言われています。
湿度が高い夏は、同じ温度でもジメジメして暑く感じます。これは、湿度が高いと汗が蒸発しにくくなり、体の熱が放出されにくくなるためなんですね。例えば、同じ28度でも湿度が70%以上だと蒸し暑くて不快に感じますが、湿度が50%前後なら快適に感じることができます。梅雨時期や雨の日に特に暑く感じるのは、この湿度の影響が大きいんです。
対策としては、冷房の「除湿モード」を活用したり、除湿機を併用したり、換気を適度に行ったり、場合によっては設定温度を1〜2度下げるといった方法が効果的です。
逆に、乾燥しがちな冬は同じ温度でも寒く感じることがあります。また、乾燥自体が不快感の原因にもなります。冬場の乾燥は、肌や喉の乾燥を引き起こすだけでなく、静電気が発生しやすくなったり、ウイルスが活動しやすくなったり、体感温度が下がったりと、さまざまなデメリットがあるんです。
冬場は加湿器を併用することで、体感温度が上がって設定温度を下げることができますし、健康面でのメリットもあって、結果的に電気代の節約にもつながります。理想的な湿度は40〜60%程度を目安にすると良いでしょう。
建物の性能・環境の違い
同じ設定温度でも、建物の性能や環境によって快適さは大きく変わります。賃貸物件探しでは、この点をしっかりチェックすることが大切です。
まず、新築マンションと築古物件では、断熱性能に大きな差があります。新築・築浅物件の場合、断熱材の性能が向上していて、窓ガラスが二重サッシやペアガラスになっていることが多く、気密性が高くて外気の影響を受けにくいため、エアコンの効きが良く電気代も抑えられます。一方、築古物件の場合は断熱性能が低く、隙間風が入りやすいため、同じ設定温度でも快適さに差が出て、電気代も高くなりがちなんです。特に1980年代以前の物件は、現在の建築基準と比べて断熱性能がかなり低いことが多いので注意が必要です。
また、木造か鉄筋コンクリート造かによっても、温度の保ちやすさが変わります。木造は通気性が良い反面、外気の影響を受けやすく、夏は暑く冬は寒くなりがちで、エアコンの効きが悪いこともあります。一方、鉄筋コンクリート造は気密性・断熱性が高く、一度温まったり冷えたりすると温度を保ちやすいため、エアコンの効率が良いんです。
それから、角部屋は外に面している壁が多いため、外気の影響を受けやすいという特徴があります。夏は日差しで暑くなりやすく、冬は冷気が伝わりやすいため、エアコンの電気代が高くなりがちです。ただし、角部屋には窓が多く明るいとか、風通しが良いといったメリットもありますので、断熱性能の高い物件であれば、これらのデメリットは軽減されます。
階数による影響
住む階数によっても、快適さは変わってきます。低層階は冬に冷えやすいという特徴があります。地面からの冷気が伝わりやすく、日当たりが悪いことも多いため、暖房の設定温度を高めにする必要があるんです。特に1階は床下からの冷気の影響を受けやすく、冬場は足元がかなり冷えることがあります。
一方、高層階は夏に暑くなりやすいという特徴があります。日差しを遮るものがなく、風通しは良いものの日中の熱がこもりやすいため、冷房の電気代が高くなりがちです。最上階は特に注意が必要で、屋根からの熱の影響が大きく、夏場は室温がかなり上がることがあります。断熱性能が低い物件の最上階は、真夏はかなり過酷な環境になることも…。ただ、逆に冬場は最上階の方が上階からの生活音がなく、暖気が逃げにくいため比較的暖かく過ごせるというメリットもあります。
これらの要素を踏まえると、快適に過ごせる物件選びのポイントとしては、できれば2000年以降、理想は2010年以降の物件を選ぶこと、構造は鉄筋コンクリート造の方が温度管理しやすいこと、階数は中層階がバランス良いこと、向きは南向きまたは南東向きが理想的なこと、そして窓がペアガラスや二重サッシだとベターということになります。
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4. エアコンの設定温度の変更が電気代節約につながる
「エアコンの電気代が心配…」という方も多いですよね。実は、設定温度を少し変えるだけで、かなりの節約効果が期待できるんです。

環境省や経済産業省の資料によると、エアコンの設定温度を1度緩和したときの消費電力量は、冷房時で約13%、暖房時で約10%削減される見込みであるとされています。
具体的な節約額を計算してみましょう。エアコンを1日6時間使用して2カ月継続した場合、360円〜720円の節電につなげることが可能なんです。これは夏場だけの話で、冬場は使用時間がさらに長くなるため、設定温度1度の差がより大きな影響を及ぼします。年間を通じて考えると、設定温度を1度変えるだけで約2,000円〜4,000円程度の電気代の差が生まれる計算になります。
さらに、フィルター掃除をこまめに行ったり、自動運転モードを活用したり、扇風機やサーキュレーターを併用したり、カーテンやブラインドを上手に使ったり、室外機周りの環境を整えたりすることで、より大きな節約効果が期待できます。
ただ、ここまで設定温度の工夫について説明してきましたが、実はもっと根本的な節約方法があります。それは、断熱性能の高い物件を選ぶことです。断熱性能が高い物件では、エアコンの効きが良く、設定温度を緩和しても快適で、電気代が大幅に安くなります。これは年間数万円の差になることもあるんです。
例えば、築浅の鉄筋コンクリート造マンションと、築古の木造アパートでは、同じ広さ・同じ設定温度でも電気代が2倍近く違うこともあります。長期的に考えると、家賃が少し高くても断熱性能の高い物件の方が、トータルのコストは安くなる可能性があるんです。
節電したい方は、まず一度設定温度を見直してみると良いでしょう。今の設定温度は快適さを保つ最低限の温度なのか、扇風機や加湿器を併用すれば温度を緩和できないか、服装で調整できる部分はないか、時間帯によって設定を変えられないかなど、チェックしてみてください。特に在宅時間が長い方は、ちょっとした工夫で年間数千円〜数万円の節約になります。我慢するのではなく、賢く快適に節約することが大切ですね。
まとめ:快適な賃貸生活は物件選びから
この記事では、エアコンの適切な設定温度について詳しく解説してきました。夏の冷房は26〜28度、冬の暖房は20〜22度が目安とされていますが、これはあくまで一般的な目安であって、湿度管理や建物の断熱性能、構造、階数や部屋の向き、エアコンの設置位置や性能など、さまざまな要因によって快適に感じる温度は変わってきます。
また、設定温度を1度変えるだけで年間数千円の節約になることもお伝えしました。フィルター掃除や自動運転モードの活用、扇風機やカーテンとの併用など、ちょっとした工夫で電気代を抑えることができます。そして何より、断熱性能の高い物件を選ぶことが、根本的に快適で経済的な暮らしを実現する最も効果的な方法なんです。
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賃貸物件選びは、日々の暮らしの快適さと経済性を大きく左右します。エアコンの設定温度で悩む前に、まずは快適に過ごせる物件選びから始めてみてくださいね。
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執筆監修

趙暉士(ちょうきし)|宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、管理業務主任者、2級ファイナンシャル・プランニング技能士
賃貸リーシングとコンサルタントを経験し、後に売買仲介業務に従事。
(株)大京穴吹不動産、都心営業部、渋谷店、流通営業1課
