
ブラックフライデー後に急増!「お荷物をお届けに上がりましたが…」詐欺SMSから考える住まいの新常識
ブラックフライデーのセールで、ついあれもこれもと買い込んでしまった。そんな経験、ありませんか?
数日後、スマホに「お荷物をお届けに上がりましたが、不在のため持ち帰りました」というメッセージが届く。どの荷物かはっきりしないけれど、心当たりはたくさんある。だから、ついリンクを押しそうになる。実はこれ、毎年この時期に増える典型的な詐欺SMSの手口なんです。
この記事では、ブラックフライデー後に再配達を装った詐欺SMSが増える理由と見分け方を解説します。さらに一歩踏み込んで、「詐欺に引っかかりにくい家・引っかかりやすい家」の違いという、住まいの視点からも考えていきます。
1. ブラックフライデー後に詐欺SMSが増える理由

荷物が多い時期は「心当たり」がある
セール期間中は、普段より多くの商品をまとめて注文する人が増えます。複数のショップで買い物をすると、「どの荷物がいつ届くのか」を正確に覚えている人は少ないですよね。
そんなときに「お荷物をお届けに上がりましたが…」というSMSが届くと、「あの荷物かな?」と自然に受け入れてしまいがちです。詐欺グループが狙っているのは、まさにこの"心当たりがある状態"なんです。
配送の遅れや再配達が当たり前になる
繁忙期は物流が混み合い、配達の遅れや持ち戻りが起こりやすくなります。国土交通省の調査によると、2025年10月の宅配便の再配達率は全体で8.3%、都市部では9.5%でした。都市部では、ざっくり10個に1個近くが再配達になっている計算です。
「届くはずの荷物がまだ来ない」「再配達の手続きが必要かも」という状況が日常的になると、不在通知が届いても不自然に感じにくくなります。本物の再配達連絡と偽物が入り混じることで、見分けるハードルがぐっと上がってしまうのです。
急いでいる心理につけ込まれる
セールで買った商品は「早く受け取りたい」という気持ちが強いもの。さらに年末に向けて仕事もプライベートも忙しくなる時期なので、メッセージを落ち着いて確認する余裕がなくなりがちです。
「保管期限が迫っています」「本日中に手続きしてください」といった急かす文面は、こうした心理を利用した典型的な手口です。焦ってリンクを開き、個人情報やカード情報を入力してしまう。これが被害の入口になります。
誰にでも届く"ばらまき型"だからこそ当たりやすい
詐欺SMSの多くは、特定の誰かを狙ったものではありません。大量の電話番号に無差別に送られる"ばらまき型"です。
普段なら「荷物なんて頼んでいない」とスルーできる人でも、ネット通販の利用が集中するこの時期は"当たって"しまう確率が上がります。つまりブラックフライデー後は、詐欺グループにとって効率のよい時期であり、受け取る側にとっては特に注意が必要なタイミングだといえます。
2. 「お荷物をお届けに上がりましたが…」

実在の宅配業者を名乗って届く
詐欺SMSの多くは、大手の宅配業者や郵便局を名乗って送られてきます。「宛先不明のため持ち帰りました」「不在のため保管しています。下記よりご確認ください」といった文面で、一見すると本物の連絡と区別がつきません。
ただし、大手宅配業者の中には、そもそもSMSで不在連絡を送っていない会社もあります。
「SMSで不在通知が来た」という時点で、まずは疑ってかかるのが基本です。各社の連絡方法は公式サイトで確認しておきましょう。
リンク先は本物そっくりの偽サイト
SMSに記載されたURLを開くと、宅配業者の公式サイトにそっくりな画面が表示されます。そこで再配達の手続きと称して、氏名や住所、電話番号、クレジットカード情報などを入力させるのがよくある流れです。
また、Androidスマートフォンでは不正なアプリのインストールを求められるケースもあります。インストールしてしまうと端末が乗っ取られ、自分の電話番号から別の人に詐欺SMSがばらまかれてしまうことも。知らないうちに加害の側に回ってしまうなんて、怖いですよね。
見分けるためのチェックポイント
怪しいSMSには、いくつか共通する特徴があります。届いたら、まずは落ち着いて次のような点を確認してみてください。
いちばんわかりやすいのはURLです。ドメインが公式サイトと違っていたり、短縮URLになっていたりしたら要注意。本物の連絡なら書かれているはずの追跡番号(伝票番号)や送り主の名前が見当たらないのも、よくある特徴です。
文面にも手がかりがあります。「本日中」「保管期限が迫っています」と急かしてきたり、日本語の言い回しがどこか不自然だったり。さらに料金の支払いや個人情報の入力を求めてきたら、まず偽物だと考えていいでしょう。
ひとつでも当てはまれば、リンクは開かずにいったん立ち止まりましょう。ちなみに、送信元のアドレスや電話番号は偽装できるので、「それっぽい送信元だから本物」とは限りません。
届いたときの正しい確認方法
荷物の状況を確かめたいときは、SMSのリンクではなく、宅配業者の公式アプリや公式サイトから追跡番号で確認するのが確実です。通販サイトの注文履歴から配送状況をたどるのも有効です。
万が一、情報を入力してしまった場合は、すぐにカード会社へ連絡して利用停止を依頼してください。アプリを入れてしまった場合は、機内モードにしてからアンインストールし、パスワードの変更も忘れずに。不安なときは、警察相談専用電話(#9110)や消費者ホットライン(188)に相談することもできます。
3. 詐欺に引っかかりにくい家・引っかかりやすい家の違い

「再配達が当たり前」の家ほど信じてしまう
宅配ボックスがなく、置き配もしにくい住まいでは、日中留守にしていると荷物はほぼ持ち戻りになります。不在票が入り、再配達を依頼するのが日常になっているため、「不在のため持ち帰りました」という連絡が来ても違和感を持ちにくいのです。
特に一人暮らしや共働き世帯は日中不在になりやすく、ブラックフライデー後は再配達の依頼が何件も重なることもあります。そうなると、本物と偽物の区別がますますつきにくくなってしまいます。
宅配ボックスがある家は「おかしい」と気づきやすい
一方、宅配ボックスや置き配に対応した住まいなら、留守中でも荷物を受け取れます。そもそも再配達が発生する場面が少なくなるわけです。
普段から不在通知を受け取る機会が少なければ、「宅配ボックスがあるのに、なぜ持ち帰り?」と立ち止まるきっかけが生まれます。この"小さな違和感"こそが、詐欺を見抜く大きな手がかりになります。ただ、宅配ボックスはまだすべての住まいに当たり前にあるわけではありません。新築の戸建てでも4割に届かないということは、物件選びの段階で意識しておかないと、宅配ボックスのない暮らしになる可能性が十分あるということです。
ただし「数」と「サイズ」が足りないと意味がない
宅配ボックスが付いていても安心はできません。戸数に対して数が少なかったり、サイズが小さかったりすると、繁忙期には「満杯」「入らない」が続出します。結果的に持ち戻りが増え、宅配ボックスがない家と同じ状況になってしまいます。
ブラックフライデーから年末にかけては、家電や寝具などの大きめの荷物やまとめ買いが増える時期です。宅配ボックスは「あるかどうか」だけでなく、「繁忙期にもちゃんと機能するかどうか」で見ることが大切です。比較的新しい物件や大規模なマンションは、宅配ボックスが充実していることが多い傾向があります。
管理体制や連絡ルールがはっきりしているか
マンションやアパートでは、管理会社や管理組合からの連絡方法が明確になっているかもポイントです。たとえば「管理会社からの連絡は掲示板か書面のみ」といったルールが周知されていれば、管理会社や宅配業者を名乗る不審なSMSにもすぐ気づけます。
反対に、連絡手段がまちまちで住人が把握できていない物件では、それらしいメッセージを本物と思い込んでしまうリスクが高まります。大手デベロッパーが手がけるブランドマンションのように管理体制がしっかりした物件を選ぶのも、ひとつの安心材料になります。
違いは「受け取り環境」と「当たり前」の差
ここまでをまとめると、詐欺に引っかかりにくい家とは、荷物をスムーズに受け取れる環境が整い、「不在通知が来ること自体が珍しい」状態をつくれている家です。受け取りやすさは便利さだけでなく、思わぬ防犯性能にもつながっているんですね。
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4. これからの住まい選びの新常識

宅配ボックスは「便利設備」から「暮らしのインフラ」へ
ネット通販が日常になった今、荷物の受け取りは毎日の暮らしに欠かせない動作です。宅配ボックスや置き配対応は、もはや「あったら便利」な設備ではなく、生活の質と安全を左右する基本性能のひとつといえます。
国も、この流れを後押ししています。
国土交通省は、宅配ボックスや置き配などの「多様な受取方法」の利用率を、2025年2月時点の25.6%から2030年度までに50%程度へ引き上げる目標を掲げています。2026年4月の調査ではこの利用率が31.0%まで上がり、再配達率は7.6%に下がりました。受け取りやすい住まいは、これからますます「標準」になっていくはずです。
宅配ボックスが「ある」ことだけで安心せず、使い勝手まで確認しておく
まず見てほしいのは、戸数に対して宅配ボックスの数が足りているかどうか。あわせて、大きめの荷物も入るサイズのボックスがあるかもチェックしておきましょう。オートロック物件なら、置き配に対応しているかどうかも大事なポイントです。
近くにコンビニや駅の宅配ロッカーがあれば、受け取りの選択肢はさらに広がります。そして先ほどお話ししたように、管理会社からの連絡方法やルールがはっきりしているかも、見落とせない安心材料です。
内見のときに宅配ボックスの空き状況を見ておくと、普段どれくらい混み合っているかの目安にもなります。写真ではわからない部分なので、ぜひ現地で見てみてください。
今の住まいでもできる対策
後付けの宅配ボックスを設置する
賃貸なら、折りたためる置き配バッグを使うのもいいですね。ただ、共用部に置くことになるので、使う前に管理規約は確認しておきましょう。
コンビニ受け取りや駅の宅配ロッカーを指定する
注文が重なるブラックフライデー前後は、配達日時をあえてばらけて指定しておくと、受け取り漏れや再配達をぐっと減らせます。
あわせて、宅配業者の公式アプリを入れて配達状況を確認できるようにしておけば、SMSに頼らずに荷物を追跡できます。「荷物の確認は公式アプリでしかしない」と決めておくだけでも、詐欺を見抜く力はぐっと高まります。
オーナーにとっても「選ばれる理由」になる
賃貸物件のオーナーにとっても、宅配ボックスの設置や置き配への対応は、入居者満足度を高める有効な手段です。荷物トラブルや詐欺被害への不安を減らせる住まいは、これからの入居者に選ばれやすい物件といえるでしょう。
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まとめ
ブラックフライデー後は荷物が増え、再配達も当たり前になる時期です。だからこそ「お荷物をお届けに上がりましたが…」という詐欺SMSが、いつも以上に本物らしく見えてしまいます。
まずは、SMSのリンクは開かず、公式アプリや追跡番号で確認する習慣をつけること。そのうえで、住まいの受け取り環境を見直すことも立派な詐欺対策になります。宅配ボックスや置き配に対応した住まいなら再配達そのものが減り、「不在通知が来るのはおかしい」と気づきやすくなるからです。
「荷物をスムーズに受け取れること」は、これからの住まい選びの新しい基準です。次のお部屋探しでは、ぜひ玄関まわりの設備にも目を向けてみてください。

執筆監修

趙暉士(ちょうきし)|宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、管理業務主任者、2級ファイナンシャル・プランニング技能士
賃貸リーシングとコンサルタントを経験し、後に売買仲介業務に従事。
(株)大京穴吹不動産、都心営業部、渋谷店、流通営業1課


